ネギ種子精選テスト
サンプルテスト実施日 2008年7月某日
<使用機械>
吸引型風力選別機
MHV-100型

 少量種子用の吸引型風力選別機にて、ネギ種子の精選テストを行いましたので、テスト結果を下記の通りご紹介いたします。

<テスト1>
 はじめに、ネギ種子中に含まれる夾雑物(下写真の白い殻及び枝状のもの)を除去する程度に、ファン用インバータを調整し、選別を行いました。
模式図 選別物

 <選別サンプル写真>の軽比物写真を見ていただいても判る様に、夾雑物と一緒に軽い種子(種皮もしくは未熟粒)も除去されています。
※拡大写真をクリックして、全体写真を見るとより分かりやすいです。
※未脱粒の殻や種子に付着した殻は除去できません。
<選別サンプル写真>
対象原料:ネギ種子
選別前 選別後
原料 重比物 軽比物
※下段写真は拡大写真です。
※上記写真をクリックすると拡大全体写真が見られます
<テスト2>
 次に、風力選別機のファン用インバーターを1Hzづつ増加させ、段階的に変化する風量により選別された種子が、重さでどの程度の違いが表れるのかを確認する、テストを行いました。
※ここでのテストは、種子同士の選別(未熟粒の除去)を目的としています。一般的に未熟な種子は実の入りが悪く種子自体の重さが軽くなります。
テストの手順は、インバーター周波数を22Hzからスタートし28Hzまで1Hzずつ増加させ、各周波数毎に軽比物は全てサンプリングし、重比物は次の周波数で選別する事を繰り返し行いました。各周波数毎の種子の重さの違いは、種子1粒の重さで比較しました。
※28Hz時は軽比物と重比物をサンプリングしています。
※1粒の重さは、200粒の重さを測定し、その平均値(1/200)を1粒の重さとしました。


以下に、選別サンプルの写真と、周波数別の種子1粒の重さをグラフにしてありますのでご覧下さい。

<選別サンプル写真>
対象原料:ネギ種子
22Hz時軽比物 23Hz時軽比物 24Hz時軽比物 25Hz時軽比物
26Hz時軽比物 27Hz時軽比物 28Hz時軽比物 28Hz時重比物
※上記写真をクリックすると全体写真が見られます

インバータ周波数(風量)の変化に対する種子1粒の重さの変化
※上記グラフをクリックすると拡大が見られます
 上記の結果より、下記の様な事が考えられます。
@周波数が大きくなると種子1粒の重さも増加していますが、27Hzから28Hz付近で増加傾向が緩くなっている為、今回の原料については、27Hz程度が選別周波数と考えられます。
※しかし、実際には発芽試験等を行い、その結果から判断し選別条件を決定する必要があります。
A各周波数時の1粒の重さの差が、0.07mg〜0.24mgの範囲となっています。1粒の重さが2.5mg程度の種子の場合、1粒の重さの約3%〜10%の違いで分離されていると考えられます。
※1粒の重さは200粒の平均値で算出している為、すべての種子がその範囲で分離されているわけではありません。
※今回のテストは、ネギ種子の結果であり、原料によって上記の結果と異なる場合があります。
※処理能力は約6kg/hです。


以上より、本機は風量の調整(インバーター周波数を調整)を行う事により、僅か重さの違いで分離できる為、求める精品精度に合わせた選別が可能になると考えます。